崩壊家族
警察署につくと、
「山村さゆりさん、ですね?」

ベテランの刑事さんと若い刑事さんが私に話しかけてきた。

「はい」

首を縦に振ってうなずくと、
「三神です」
と、ベテランの刑事さんが名乗った。

「柳です」

若い刑事さんが私に警察手帳を見せた。

「あの娘は…?」

私が聞くと、
「実は、お宅の娘さんは麻薬の密売のバイトをしていまして」

柳さんと名乗った若い刑事が説明を始めた。

「娘が?」

聞き返した私に、
「本人は知らなかったとか、彼のためにやったとかって、容疑を否認してて。

それで、母親のあなたに協力を…」

「知りません」
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