崩壊家族
「でも、今は1人じゃない。

俺がいる。

俺がちゃんと、さゆりを幸せにする」

「洋介…ありがとう…」

そっと、洋介の背中に両手を回した。

私、今すごく幸せだ。

洋介がいるから。

洋介が、私の隣にいるから。

「そうだ」

洋介は思い出したと言うように、私から離れた。

「携帯電話変えない?」

そう言って洋介はズボンのポケットから折りたたみ式の携帯電話を出した。

「俺の携帯電話、もう3年になるんだ。

せっかくだから、さゆりも一緒に機種変しない?」
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