崩壊家族
「ねえ、京都って言ったら八ツ橋かな?」

そう言った私に、
「おいおい、さゆりは食べ物かよ。

俺は京都タワーと清水寺へ行ってみたいな。

定番だけど」

アハハと、洋介と笑いあった。

早く今月の終わりにならないかなと、私は洋介と笑いあいながら思った。


その翌日の昼。

私は久しぶりに、あの家を訪ねた。

同窓会以来、しばらく帰ってなかった我が家である。

帰ってきた理由は、旅行カバンを取りにきただけのこと。

カバンを取りに終えたら、もう2度とここに帰ってくることはないだろう。

そう思いながらドアを開いた時だった。
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