崩壊家族
そう言った夫に、私はプッと吹き出した。

「できたのかって…。

あなただって、そうじゃない。

私以外の女を作って、女の家に入り浸って、忘れた頃にノコノコと帰ってきて…今さら何言ってるの?

と言うか、あなた何の用?

女の家にいたんじゃないの?

確か、あなたの部下の」

そう言った私に、
「――別れたんだ…」

消え入りそうな声で、夫が言った。

「別れた?」

私は聞き返した。

「1週間前に、別れた」
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