崩壊家族
「俺はこの家の息子だ!

何してくれるんだよ!」

暴れて叫ぶ俺に、彼らは冷静に取り押さえる。

彼らを呼んだのは、母親。

久しぶりに見る母親の顔。

高そうなワンピースに包まれた母親は、冷めた目で俺を見下ろしていた。

「知りません」

母親が、首を横に振った。

「息子は死にました」

ああ、終わった。

俺は、捨てられた。

母親に、見放された。


姉も罪を犯して少年院行き。

母親にも愛人にも捨てられた父親は自殺。

そして母親は、男と一緒にアメリカへ。

それを聞いたのは、俺が少年院に入ってからのことだった。


☆★END☆★
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