MIND TERRITORY
山西は軽く頷くと、至って明るく応えた。

「もちろんですとも。まだ検査の結果が出るまでには、暫く時間が掛かるのでしょう?ならば是非そうして下さい」

西条はホッとした様子を見せた。

「すまないな。そう言って貰えると助かるよ。これで心置きなく療養できるってもんだ」

やがてエレベーターが到着すると、西条は肩の荷が降りたかのように、大きく伸びをした。
山西は安堵した様子でそれを見守ると、渡り廊下の先まで西条に帯同した。

「このまま自室へ戻られますよね?私は研究室の方へ戻りますので」

「あぁ。せっかくなんで今日は安静にしているよ。君も根を詰め過ぎんようにな」

「はい。では何か変わった事が起きた時は、すぐに連絡しますので。どうぞお大事に」

山西は一礼すると、研究室の入り口へと姿を消した。

「やれやれ…お大事にとは、すっかり病人扱いだな」

西条は一つ息を吐くと、自室へと引き上げていった。

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