MIND TERRITORY
「そんな大袈裟な。私は別に病人ではない。山西君…一体どうしたと言うのかね?」

山西は聞く耳持たずの様相で、頑として譲る気配は無かった。

「とにかく検査の結果が出るまでは、大人しくしていて下さい」

西条は呆れた口調で応えた。

「おいおい、たかだか中庭を散歩するくらいの事も許されないのか」

山西は西条の背中をぐいぐい押しながら断言した。

「そうです。暫くはただ安静にしていて下さい」

西条は懐疑の念を抱きながらも、今の山西の剣幕に逆らうのは得策ではないと思い、渋々と引き返す事にした。

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