MIND TERRITORY
そして名残惜しそうに、山西の肩越しに外を見遣ったその時だった。
西条は突然に動きを止め、ある一点を凝視したまま固まった。

「どうしました?」

不審そうな目で、山西も西条の視線の先を追った。

「いや、何でもない」

西条は一言だけ発すると、山西の手を振り払って、一人でスタスタと引き返していった。

山西はそんな機嫌の悪そうな西条の様子に声を掛けられず、ただ唖然としながら見送った。

少し言い過ぎだっただろうか?
しかし、いちいち教授の意向など、気にしている場合ではない。
だが次からは、もっと自然な対応を心掛けた方が良いかも知れない。

山西は軽く溜め息をつくと、研究室へと引き返していった。

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