MIND TERRITORY
「教授…大丈夫ですか?」

山西は心配そうな顔で尋ねた。

「大丈夫とは何だね?私は多少早めに寝たくらいで、特に変わりは無いとおもうが」

「………」

西条は怪訝な表情を浮かべながら、言葉を選ぶかのように口を開いた。

「山西君。君は何か勘付いたと言うか…その…なんだ…私に何か隠し事をしていないか?私の症状はそんなに深刻なのかね?」

山西は慌てて否定した。

「いえ、そんなんじゃないんです。ちょっと教授がうなされていたようなんで、心配になって様子を見に来ただけです」

「そうか。それはすまなかったな」

完全には解せなかったが、こんな深夜に口論を起こす気にもなれず、西条は実にあっさりと引き下がった。

「取り敢えず変わりなさそうで安心しました。それでは失礼します」

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