あたしとおれ

 忘れようと、記憶を消そうと、過去さえなくなればと、何度も何度もおれは願った。

 過去の自分を呪ったよ。何でおまえなんかを好きになったんだ···ってね。

 おまえを好きにさえならなかった、今こんなに苦しむこともなかったのに。

 でも、もうそんなくだらないこと、おれは願わない。

 もうおれは幸せなんだ。
< 86 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop