大好きな君へ言いたいこと。

[蒼空side]

優輝よりはやく教室に着いた。

しょうがないからはじめての地に
恐る恐るに足を踏み入れた。

が、

ドンッ

誰かにぶつかった。

「ごめん!」

ぶつかってきた男の子が謝る。

「いいよっ!」

蒼空がそう言って笑うと
男の子は「ぁりがとう♪」と言ってくしゅっと笑って廊下へ駆けていった。


「ねぇ」

いきなり誰かに呼ばれた。

「なに?」

そう言って呼ばれた方を見ると少し小柄な女の子がいた。

可愛い子だなぁ…。
ぅちとは真逆だ。

「ねぇ、友達にならない…?」

潤んだクリクリとした瞳で女の子は蒼空を見つめる。

「いいよ!」

こんな可愛い子に「友達にならない?」なんて言われたら誰も断れないよ…。


聞いたところこの女の子の名前は

野上 林檎 (のがみ りんご)

って言うらしい。
で、さっきぶつかった男の子の双子の姉らしい。

「蒼空ちゃんはさ、好きな人とかいないの?」
「林檎?いきなりなに言ってんの?」
「ぇ?だってさ、さっき掲示板の前で男の子と話してたから」

なにげに林檎、天然入ってんな…。
好きな人いるように見えたのか。

「…いないよ。みんなただの友達だよ♪」

そう言うと林檎は目を輝かせて笑った。

「すごいね♪私、男の子とそんなに仲良くはないから蒼空、憧れるよ!」
「そうかな?」

可愛いなぁ。
林檎は、中学校での友達第1号だぁ♪

もっと友達出来るかな?
小学校のときは男子とばっかいたから中学では女の子の友達たくさん作ろう!


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