大好きな君へ言いたいこと。
[蒼空side]

教室がざわめいたのを感じて私は入り口を振り返った。

「優輝っ!」

私は優輝を見つけて呼んだ。

すると
優輝は、スタスタとこっちに来た。


「ねぇ、蒼空知り合いなの?」

さっき友達になった子達が聞いてきた。

「ぅん。幼馴染みだよ♪」


「蒼空、呼んだ?」

肩に手をおいて優輝が聞く。

「呼んだ。」

ウンウンと頷きながら返してみる。

「君、遅いっす!」

蒼空は優輝のすねを蹴って言う。

「ちょっと嶺に捕まってさ。」

嶺?だれだそりゃ?

「優輝くん嶺と友達なの!?」
「君だれ?」

優輝は、「なにっ!?」という顔をしながら林檎をみた。

すかさず私はそこに説明を入れる。

「ぇっと、林檎だよ。双子でこのクラスに弟がいるんだってさ。」

私は他の子たちも紹介していった。

「わかった。ぁ、林檎だっけ?もしかして双子の弟が嶺?」
「ぅん。」

ぁ、そういうことね…。
さっきの男の子嶺っていうんだ。


この日
私たちが出会ったことで
また、優輝との仲が引き裂かれるなんて思ってもいなかった。

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