大好きな君へ言いたいこと。
「おい、蒼空。」
帰ろうとしていた私を誰かが呼ぶ。
それが誰なのかはすぐにわかった。
私は何も言わずに振り返った。
「なに?」
私は素っ気ない対応をした。
すると
優輝は、なんだか悲しそうな顔をした。
「……一緒に帰ろうと思っただけだからいいや…。じゃあな。」
優輝は
すごく傷ついたような顔でそう言って
走っていってしまった。
ごめん…。
私、なんだか今の優輝が怖い…。
私はいつも通り拓海と一緒に帰った。
でも…。
いつもと同じ事をしているのに
ずっと、さっきの優輝の顔が頭から離れなかった。
「蒼空?」
拓海が心配そうに私を見る。
「ん?どうかした?」
「いや…なんか、ずっと上の空だったから」
「考え事?」っと言って拓海が笑った。
「いや、なんでもないよ」
私は
作り笑いをした。
「ホント?まぁ、いいや」
拓海は楽しそうだった。
「ぅん。」
なんだか
こっちも楽しくなってきて
心から笑い会えた。
さっきのが嘘だったように。
「そういえば、優輝さ。」
私達はちょっとより道をして
いつもの公園―通称森の公園のブランコで遊んでいた。
そんなときに
拓海が口にした言葉、『優輝』に
蒼空は大きく反応をした。
「え、優輝?」
拓海が言ったのは
「ぅん。優輝さ、告白また断り出してるらしいよ。」
これを聞いて反応せずにはいられなかった。
優輝は
戻ろうとしてるんだ。
なのに……。
でも、怖いんだ…優輝が…。
私は、拓海にさっきの優輝との事を話した。
「そっか…。優輝とまた帰ろうな?」
拓海は
小さな子を見るような目で私を見た。
「……。」
私は
答えられなかった。
「優輝は変わってないよ。ずっと、いつまでも優輝だよ?怖くない。」
拓海は優しい。
拓海は受け入れて
自分だけ受け入れないのは……。
いけない。
「ぅん。わかった。」
私は
笑顔で拓海にそう答えた。