大好きな君へ言いたいこと。

【蒼空side】

「蒼空!」

呼ばれて
蒼空は振り返る。

「蒼空。次だよ!」
「ぁ、ありがと」

鈴檎が出番を教えてくれた。


蒼空は
ずっと上の空だった。

だって
次の種目はリレーなんだけど、
絶対に
絶対に
勝てないから…。

私以外の出場者の人は
みんな陸上部か他の部活の有力者たちばがりだからだ。

なのに
1番とアンカーという大役を任されたからだ。

しかも
アンカーは陸上部の有力者が集まっている。


「1年代表大リレーに出場する人は集合してください。」

集合の放送がかかる。

「じゃあ、行くね…!」

蒼空は
とぼとぼと集合場所へ行く。


「位置について。」

そして
いつの間にかスタートラインに立っていた。


ふと
手に結ぶミサンガが目に入った。

『蒼空が運動会で活躍出来るように♪』

郁の言葉が脳裏を横切った。

そうだ。
郁も応援してくれてるんだ。
だから―
「自分がやれることをやる。」

そう言って
蒼空は、手を握りしめる。


「バンッ」

スタートのピストルが鳴る。

走者が
一斉に走り出す。

スタートダッシュは
1番だった。

その後
抜かされたり、抜かしたりで
2番で次の人にバトンを渡せた。

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