妖戦記
最後の秘密
婆「……それで、彼が?」
魅「今日引っ越してきた私の友人の地倉夾、といいます。
その…幼いころの私の友人らしく…今、家庭の事情で家が無いようで…だから、離れの家を貸してあげてほしいんですが…」
婆「…好きになさい。
妖怪以外ならなんでもいいです」
そういうと、こちらを向いていたおばあ様はまた机に向き直った。
私は夾をつれてこの部屋を出た。
魅「…はぁ」
夾「あれが、魅彩のおばーさま?」
魅「…ええ」
夾「ふーん」
離れに連れて行き、住めそうな部屋を提供する。
すると、夾は嬉しそうにその部屋に入った。
魅「汚いけど…」
夾「すめりゃ変わんねえって!
ありがとう!」
魅「…べつに」
無邪気すぎる彼と一緒にいると、なんだか調子がくるわされていく。
一度頭をガシガシと掻くと、私はここから離れようとした。
夾「!どこ行くの?」
魅「私の部屋に戻る」
夾「もう少しお話ししようよ!」
魅「…なんで」
夾「だって、俺…魅彩のこと好きだもん!」
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