妖戦記










小さな頃から両親がいない。その事に関して私は不思議と寂しいと感じることはなかった。







普段は厳しいお婆様。でも、実はとても優しい。



そして両親の記憶は…ないに等しい。



それに小さな頃は修行に忙しく、寂しさを感じる暇がなかった。それも一つの理由になる。









そろそろ、私の2つの秘密を明かそう。








まず、一つ目。










『…いつまで、隠れているの?


 アヤカシ…』








人ならざるものが…見えること。








振り返ると、わずかに植えられた植木から一体の人ならざるものが出てきた。










グルル…と低くうめき、犬のような形をしているが可愛さは全くない。











そして、私に襲いかかってくる。









これが、もう一つの私の秘密。










『私に喧嘩売るなんて…

 死に急ぎたいんだね、よほど…』










手をかざし、ふっと力をいれると掌から炎が出てその人ならざるものを包んだ。
























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