僕だって、男なんだよ…
僕の日々は平和だった。
平和と言えば聞こえはいいけれど、
特にこれと言って何もなかった。


仕事は適度に忙しくて、好きな趣味も支障なく出来た。

独り暮らしだけれど、犬を一匹飼っていて、家に帰っても寂しくはなかった。

友達も仲間もそれなりの付き合いはあったし、
たまに昔の彼女と連絡もしたりした。


職場の人に誘われる事や、いきなり告白される事もあったし、知り合いの知り合いに、「付き合って欲しい」なんて言われる事もあった。


そんな事は、僕にとって、平和な日々だった。


ラブは、僕の中で、非日常的な存在だった。




ラブが話している事は本当の事なのか、
ラブは本当に存在するのか、
それすら長い夢の中のようで、
僕はだんだん不安になっていった。







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