キレイをつくる保健室
「あたしは最後まで、ナミのキレイを応援するから」
あたしはナミのメイクを整えながら、そう宣言する。
「だから、ナミもキレイになること、あきらめないで」
「うん、先生、あたし……最近うれしいの」
ナミはメイクが上手になってきていた。
リンパマッサージも血液の流れをよくしてくれているようだ。
朝の遅刻が減ったのは、低血圧の身体の新陳代謝(シンチンタイチャ)がいいから。
ファンデーションのノリがよくなった。
顔が小さくなった。
そのぶん、瞳が強調されて、キレイ。
「ゆり先生のおかげだよ」
ううん……違うな。
あたしは手助けをしただけで、本気になったナミの実力だ。
塚田がナミを気にしている。
どんどんキレイになるからだ……。
手の届かないお姫様みたく。
ナミは、もっともっとキレイに美しく花ひらく。
間違いなくね。