キレイをつくる保健室

「あたしは最後まで、ナミのキレイを応援するから」


あたしはナミのメイクを整えながら、そう宣言する。

「だから、ナミもキレイになること、あきらめないで」



「うん、先生、あたし……最近うれしいの」


ナミはメイクが上手になってきていた。


リンパマッサージも血液の流れをよくしてくれているようだ。


朝の遅刻が減ったのは、低血圧の身体の新陳代謝(シンチンタイチャ)がいいから。



ファンデーションのノリがよくなった。


顔が小さくなった。


そのぶん、瞳が強調されて、キレイ。



「ゆり先生のおかげだよ」

ううん……違うな。


あたしは手助けをしただけで、本気になったナミの実力だ。



塚田がナミを気にしている。


どんどんキレイになるからだ……。


手の届かないお姫様みたく。



ナミは、もっともっとキレイに美しく花ひらく。


間違いなくね。

< 135 / 210 >

この作品をシェア

pagetop