キレイをつくる保健室

「下川について、担任に報告しなくちゃな」


塚田センセは鼻と口を押さえていたタオルを外す。



「あ、センセイ、顔が真っ黒」


シーツをかぶっていた、あたしと違って、ススを思いっきりかぶったみたい。


「顔は洗えば、いいさ」


タオルで顔を拭いて、塚田センセは汚れた顔のまんま、笑った。



メガネも汚れちゃって。


あたしは、ちょい、泣けてしまった。


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