キレイをつくる保健室

「ゆり先生、今日も決まってる」


あたしは校門に遅刻チェックに立つときも、キレイにスタイルを決めて行く。

今日はミニスカート。膝上丈はもちろん、ストッキングの色は黒、小粋なハートがちりばめられた、大人可愛い柄を選んできた。


「当たり前よ、花崎(はなさき)さん、あなた今日も地味というか……」


「そうですかぁ? あたし朝が弱くて時間ないからぁ」


この子の場合、朝が弱いのが問題じゃないのよ。


ゆり的にみるとね、


とにかくダサい。

汚ない。


花崎ナミ。



毎朝、見るたびにムカついてダメだ。


「先生、またね!」


ナミはダッシュで校門をかけぬける。


「待て---コラ!」

ナミは、ダサいまんま。


ずりおちたソックス、

かかとを踏みつけたぼろぼろのローファー、

スカートの折り目は、ぐちゃぐちゃ、

髪はロングでホラー映画に出てくる女みたく

のびきっていて、美しくない。


中身は……身体つき、顔立ち、充分キレイになりえるのに!!!


今は、素質が殺されてしまってるのよ。



美しくないのだ、哀しいくらい。


ああ。


……改造したい!!!
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