キレイをつくる保健室
逃げたな。アイツ。
何がイギリスの貴族だ!
あたしを捨てて、いち早く逃走したなんて。
あいつは王子様なんかじゃ~ナイ!!!
あたしの顔も塚田センセに負けず劣らず熱くなる。
「花崎、熱あるんじゃないか?」
そうかもしれませんが。
あたしは、とにかく、帰りますっ!
バン!
勢いよく、怒りをあらわに保健室のドアを後ろ手で閉める。
キレイになんか、
キレイなんか……て。
悔しいけど、あたしは、キレイにメイクして、やっぱりうれしかったんだ…。