キレイをつくる保健室

メイクはイラストを描くのと似てる。

あたしは、熱っぽい身体でコンビニに寄った。

ファンデーション、チーク、アイライナー、アイブロウ、パレット、グロス。


可愛いパッケージに包まれた化粧品が店頭に並んでいる。


コンビニは、何時まで見ていても、店員から呼びかけられることは、そうない。

あたしはイラストを描く道具を買い足しにくると、メイクの商品には惹き付けられてはいた。


でも、あたしはキレイにはならない。なれないから、必要ない。


興味はあった。買う勇気はなかった。レジの人に笑われるかもしんない。



こんなブスが。

グロス?
マスカラ?

汚ないだけだろ、と憐れみの眼で見られそう。


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