あなただけ
私は、泣いていた。泣きながら太一に抱きついた。
自分でも何でこんなことをしたのか、わからないけど
今は、誰かに一緒にいてほしくて。
「姉ちゃん・・・。どんな夢見てんだよ。
高1にもなって泣くなよな。」
そう言いながら、私の背中をさすってくれる太一。
「・・・ごめんっ・・・太一っ」
「・・・姉ちゃんは泣き虫だな。これで何回目だよ。
・・・あんときみたいだな。」
優しく背中をさすってくれる太一が、そう呟きながら
笑っているのが分かった。ごめんね、太一・・・。
こんな姉で・・・。