あなただけ
ずっと太一の服を掴んだままだった。しかも
私の涙で、服が少し濡れていた。
「ご、ごめん太一!」
「まぁいいけど。じゃぁ俺勉強しに戻るよ。
もぉ叫ぶなよな。迷惑だからな。」
最後には、嫌みを言って出ていくのが太一流。
今回ばかりは、怒らないでおいた。
でも・・・一人取り残されると、なんだか寂しくて。
こんな時、考えるのは・・・恵のこと。
・・・太一の言う通り恵のことを考えると苦しくなる。
・・・これが恋なの?