あなただけ
過去
そして、放課後。
あの桜の木の下へ向かった。
そこには既に男の子が待っていた。
「お!先に来て待っててん。
一緒に出てきたらカンチガイ・・・
されてまうからな。」
「あ、ありがとう・・・。」
私には、カンチガイの意味が分からなかった。
「あの、このハンカチ・・・洗って返すから。」
「あぁ、ええよ。俺んちで洗うから。」
「でも、びしょびしょで・・・。」
あれからもしばらく涙が続いたから
ハンカチはびしょびしょ。