あなただけ
「ん?・・・っ」
「そろそろ教室帰ろっか?」
「笑美っ!?」
「早くしないと、体操服に着替えられないから。
先に帰っちゃうよー?早く、行こ?」
私は恵の手を握って歩きだした。ただ手を握っただけなのに
そんなに驚かれるとは思ってなかった。
それからすぐ、恵がまた立ち止った。
恵の方を振り向くと、恵が私を抱きしめてきた。
「け、恵っ!?」
「絶対負けへんから。春登には渡したないから。」
「・・・信じてる。大丈夫だよ。」
そう言って、恵の体から少し離れると
「笑美・・・」
「え?んっ・・・」
さっきよりは絶対長い、甘い世界へ連れ込まれた。