あなただけ
その言葉は私の耳にちゃんと届いたよ。


でも、それは間違ってるよ、春登?


「涙はね・・・。嬉しいときにも流れるんだよ?」


涙は、悲しいときにだけ流れるものじゃないんだよ。


嬉しいときにだって流れるんだよ。


春登、私ね嬉しくて泣いてるんだよ?


分かる?この気持ち。


「春登にも、きっとそのうち分かるときが来るよ。」


「俺は・・・笑美が好きなんだ。この学校にきてから


笑美を見たとき、一目ぼれしたんだ。だから、やっと


気持ちを伝えられたのに・・・。なんで、俺じゃ・・・。」


「俺な・・・」


真剣な表情で春登を見ながら話し出す恵。


私も知らなかった事実。恵は・・・そんなときから


私のことを想っていてくれたんだね・・・。
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