あなただけ
そこは、壁と天井が白い部屋だった。


手に少し力を入れてみた。


ちゃんと動いてくれた。それから足も。


首を少しだけひねってみると


小さな棚の上に花瓶があった。その花瓶には


可愛らしいピンク色の花があった。


嬉しくて・・・涙が頬を伝った。


「えみ?笑美?」


私の頭の後ろから声がした。


振り返らなくても分かる。あなたなんだから。


「笑美?どっか痛いとこある?」


「大丈夫だよ。」


「そっか。よぉ頑張ったな・・・。


お疲れ様。お帰り、笑美。」


「ただいま、恵。」
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