あなただけ
「上の空言うなや。笑美のことが心配やから。


頭は働いてるで?笑美のことばっかりやけどな。」


「ノロケるなよ!」


「うっさいわ!」


また二人の喧嘩が始まった。


「でも、恵。ありがとう。


私のことを心配してくれて。すっごく嬉しいよ。


春登も、お見舞いに来てくれてありがとう。」


私が二人の喧嘩を割ってお礼を言うと


二人は声をそろえて言ってくれた。


「どういたしまして。」


って。だから私は笑ったの。


おかしくてじゃなくて、嬉しくて。
< 221 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop