あなただけ
おう、っていうことはいいんだよね?
「・・・うん。」
「俺ら、お互いの名前知らん、やんな?」
ゆっくりとした口調で話す男の子。
私は、口を開けたまま目をパチパチさせた。
「あ、言われてみれば・・・。」
「そやろ?!俺あんたの名前覚えてへんかって
俺も多分あんたに覚えられてないやろなぁて。」
「同じクラスなのに、ね。」
「そぉや!おかしいやろ?」
「うん・・・。おかしいね。名前・・・
言った方が良いよね?」
「そぉやな、覚えたいし。友達の名前くらい。」