あなただけ

目に涙を浮かべながら話す太一・・・。


「姉ちゃんがいじめられて、学校に行かなくなって、


俺・・・姉ちゃんと毎日登校するの・・・嬉しかったのに。」


私と太一は、家から少し学校が遠いため


一緒に行くようにお母さんに言われていた。


私は、仕方なく一緒に行っていた。でも、太一は・・・


それを楽しんでたんだ・・・。


「姉ちゃんと行けなくなって、毎日・・・


怖いんだ・・・。早く・・・姉ちゃんっ・・・」


目から溢れる大粒の涙は、私の肩に落ちてくる。


その涙は、とても温かかった・・・。


「早く元気になってよ・・・」

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