あなただけ

「太一!欲しいものがあるんでしょ?


ちゃんと言って?」


「・・・もう、貰ったから。」


・・・貰った?誰に?いつ?どこで?


「帰ろ。暗くなってき」


「冗談じゃないわよ!」


「ね、姉ちゃん?!」


私は・・・泣いていた。自分が弟の


欲しいものも買ってあげられなかったことが


悔しくて・・・。


「ちょ、ちょっと待った!ここはマズイって!


こっち来て!」


私の右手を握って走り出した太一。

< 64 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop