あなただけ

私が、あんまり速く走れない事を知ってるから


私に合わせて走ってくれる。優しい弟・・・。


それから、商店街から出てすぐの


公園に着いた。


「急に泣くなよ!?」


「だって・・・。」


「子供だな。姉ちゃんが俺の妹みてぇだよ。」


うつむいていた顔をあげて、太一をにらんだ。


「や、姉ちゃんは姉ちゃんだ!」


慌てて言い直してきた。


「なんで・・・」


「え?」


「なんで私は・・・何もできないの・・・。」
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