あなただけ

「でも、弟さんと手繋いで歩いたりするんだね。


可愛い弟さんだね。何年?」


「中3なの。受験生だよ?」


「今大変な時だよね。僕らもほんの少し前のことなのに


なんだか懐かしい。」


「ホンマ・・・羨ましいな・・・。」


「「え?」」


思わず恵の言った言葉に、私も春登くんも


声をそろえて反応した。


―――キーンコーンカーン―――


「あ、昼休み終わっちゃうね。そろそろ


僕らも教室に戻ろうよ。」

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