あなただけ

初めて知った。太一の手も温かかったけど、


春登くんの手は、太一とはまた少し違って・・・。


「よかった。怒られるかと思ったよ。」


「怒ったりなんかしないよ。悪いことなんか、してないんだから・・・。」


「・・・恵?」


「え!?」


「あ、いや、恵のこと思い出したのかなって。」


図星をつかれて、言葉を返せない。


悪いこと、しちゃったのかな・・・。


「恵のことならきっと大丈夫だよ。笑美さんは心配性?」


「・・・そうだよね。私、心配性なのかな。」


「気にしなくても、明日にはまた笑って話せるよ。」


「そうだよね・・・。ありがとう、春登くん。」

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