龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「こっちへおいで、志鶴。話がある」
圭吾さんはわたしをソファーに座らせると、わたしの前にひざまずいて手を握った。
「電話は悟からだった。美月ちゃんが育てていた龍が死んだそうだ」
「龍って……あのトナカイみたいな?」
圭吾さんはうなずいた。
「美月ちゃんは君に来てもらいたがっている。悟は君に見せたくないそうだ。決めるのは君だ」
美月がわたしに来てほしいなら行ってあげたい
だって、反対の立場だったらあの子は必ず来てくれるはずだもの
でも
『死』を見るのはつらいし、怖い
「僕は――僕は出来るだけ君に悲しい思いをさせたくはない。だけど、生きていれば避けられない悲しみもある。忘れないでいてほしい。僕がいる。どんな時でも。僕に君がいるように」
わたしは真っ直ぐに圭吾さんを見た。
わたしは
わたし達は、ただ好きだから一緒にいるんじゃない。
お互いが必要で一緒にいるんだ。
「連れて行って」
かすれた小さな声で、わたしは言った。
「後悔したくない」
圭吾さんはわたしをソファーに座らせると、わたしの前にひざまずいて手を握った。
「電話は悟からだった。美月ちゃんが育てていた龍が死んだそうだ」
「龍って……あのトナカイみたいな?」
圭吾さんはうなずいた。
「美月ちゃんは君に来てもらいたがっている。悟は君に見せたくないそうだ。決めるのは君だ」
美月がわたしに来てほしいなら行ってあげたい
だって、反対の立場だったらあの子は必ず来てくれるはずだもの
でも
『死』を見るのはつらいし、怖い
「僕は――僕は出来るだけ君に悲しい思いをさせたくはない。だけど、生きていれば避けられない悲しみもある。忘れないでいてほしい。僕がいる。どんな時でも。僕に君がいるように」
わたしは真っ直ぐに圭吾さんを見た。
わたしは
わたし達は、ただ好きだから一緒にいるんじゃない。
お互いが必要で一緒にいるんだ。
「連れて行って」
かすれた小さな声で、わたしは言った。
「後悔したくない」