龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
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「三田先輩、やっぱり来てくれたんですね」
竜田川家に着き、優月さんに案内されて龍の飼育に使っている温室に行くと、美月がニッコリとしてわたしを迎えた。
目は泣き腫らして赤いけれど、拍子抜けするほど清々しい表情をしている。
温室には、美月の両親と優月さん、それから司先生を筆頭に羽竜分家の五人兄弟が揃っていた。
美月の足元では、赤龍が落ち着きなくウロウロとしている。
美月はこんなにたくさんの人に囲まれているのに、わたしを呼ぶ必要があったんだろうか。
「無理言ってすみません。悟さんはダメだって言ったんですけどね、先輩にもルドルフにお別れを言ってほしくて」
「ルドルフ?」
「あの子に名前をつけたんです。サンタクロースのトナカイの名前なんですよ」
知ってる
サンタのソリを引くトナカイ達の先頭にいる赤鼻のトナカイだ。
「あの子にさよならを言ってあげて下さい」
えっ……見なきゃダメってことよね?
わたしは思わず圭吾さんを見上げた。
竜田川家に着き、優月さんに案内されて龍の飼育に使っている温室に行くと、美月がニッコリとしてわたしを迎えた。
目は泣き腫らして赤いけれど、拍子抜けするほど清々しい表情をしている。
温室には、美月の両親と優月さん、それから司先生を筆頭に羽竜分家の五人兄弟が揃っていた。
美月の足元では、赤龍が落ち着きなくウロウロとしている。
美月はこんなにたくさんの人に囲まれているのに、わたしを呼ぶ必要があったんだろうか。
「無理言ってすみません。悟さんはダメだって言ったんですけどね、先輩にもルドルフにお別れを言ってほしくて」
「ルドルフ?」
「あの子に名前をつけたんです。サンタクロースのトナカイの名前なんですよ」
知ってる
サンタのソリを引くトナカイ達の先頭にいる赤鼻のトナカイだ。
「あの子にさよならを言ってあげて下さい」
えっ……見なきゃダメってことよね?
わたしは思わず圭吾さんを見上げた。