龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「無理する事ないよ!」
悟くんが怒ったように言う。
「いいえ、ダメです!」
美月が強い口調で反対した。
「先輩、ちゃんとお別れした方がいいんです。ホントです」
「しづ姫は美月ちゃんのために来た。それでいいじゃないか。何もつらい思いをさせなくてもいいだろ?」
悟くんは、美月に、と言うより圭吾さんに向かって言っている。
悟くんは珍しくむきになっていた。
それはたぶん、わたしが子供の頃、目の前で白龍を亡くした事を知っているから。
「美月が言うなら本当だよ」
大輔くんが口を挟んだ。
「美月は何回も龍を亡くしてる。俺達は毎年龍の卵を探しに行くけど、何でも持って来る訳じゃない。自然孵化出来なさそうなのを拾って来るんだ。だから途中で死んでしまうのもいる。美月は泣くよ。毎回毎回。それでも俺達はまた卵を探しに行く」
わたしは美月を見た。
「どうして耐えられるの?」
「悲しい事以上に楽しい事もたくさんあるから。お別れ言って下さい。泣いた方がいいんです。その後にいい思い出だけが残ります」
そうなの?
わたしは圭吾さんの手に自分の手を滑り込ませた。
圭吾さんがわたしの手をしっかりと握る。
悟くんが怒ったように言う。
「いいえ、ダメです!」
美月が強い口調で反対した。
「先輩、ちゃんとお別れした方がいいんです。ホントです」
「しづ姫は美月ちゃんのために来た。それでいいじゃないか。何もつらい思いをさせなくてもいいだろ?」
悟くんは、美月に、と言うより圭吾さんに向かって言っている。
悟くんは珍しくむきになっていた。
それはたぶん、わたしが子供の頃、目の前で白龍を亡くした事を知っているから。
「美月が言うなら本当だよ」
大輔くんが口を挟んだ。
「美月は何回も龍を亡くしてる。俺達は毎年龍の卵を探しに行くけど、何でも持って来る訳じゃない。自然孵化出来なさそうなのを拾って来るんだ。だから途中で死んでしまうのもいる。美月は泣くよ。毎回毎回。それでも俺達はまた卵を探しに行く」
わたしは美月を見た。
「どうして耐えられるの?」
「悲しい事以上に楽しい事もたくさんあるから。お別れ言って下さい。泣いた方がいいんです。その後にいい思い出だけが残ります」
そうなの?
わたしは圭吾さんの手に自分の手を滑り込ませた。
圭吾さんがわたしの手をしっかりと握る。