龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「圭吾さん?」
「何?」
――おっと! ネクタイ緩めてる
わたしは慌ててウオークインクローゼットの入口にもたれかかってうつむいた。
「あのね――」
何言いたかったんだっけ?
「肉まん、おいしかった。ありがとう」
そうじゃないでしょ、わたし!
「どういたしまして」
あ……笑ってるでしょ?
「お客様ってすごい人だったのね」
「ああ、父の代からの知り合いだよ」
「何の用事だったの?」
「彼の息がかかった研究施設に土地を貸してるんだ。二年後に契約が切れるんだが、更新しない方向で話を進めていたら、考え直してくれと言いに来た」
「どうして貸すのやめるの?」
ちょっと間があって、わたしは目を上げた。
ちょうどTシャツを頭からかぶっていたみたいで、裸の背中が目に入った。
あら、ステキ
ほらね、わたしだってまるっきり『お子様』って訳じゃないんだから
「何?」
――おっと! ネクタイ緩めてる
わたしは慌ててウオークインクローゼットの入口にもたれかかってうつむいた。
「あのね――」
何言いたかったんだっけ?
「肉まん、おいしかった。ありがとう」
そうじゃないでしょ、わたし!
「どういたしまして」
あ……笑ってるでしょ?
「お客様ってすごい人だったのね」
「ああ、父の代からの知り合いだよ」
「何の用事だったの?」
「彼の息がかかった研究施設に土地を貸してるんだ。二年後に契約が切れるんだが、更新しない方向で話を進めていたら、考え直してくれと言いに来た」
「どうして貸すのやめるの?」
ちょっと間があって、わたしは目を上げた。
ちょうどTシャツを頭からかぶっていたみたいで、裸の背中が目に入った。
あら、ステキ
ほらね、わたしだってまるっきり『お子様』って訳じゃないんだから