龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
サンタクロースが手を振ると、光が散らばって女の人の姿になった。
彩名さん?
ううん。あれは……あれは……
「ママ!」
わたしは差し出されたママの腕に飛び込んだ。
――志鶴、寂しかったでしょう? ゴメンね
ママだ。ママの声、ママの匂いだ。
「いいの。もう寂しくないから」
ああ……きっと夢は一瞬で消える。
言おう。今ならきっと言える。
「ママ、大好きよ。わたしを産んでくれてありがとう」
わたしはママの顔を見つめた。
「さようなら」
――さようなら、志鶴。幸せにね
ママがわたしの髪を撫で、頬に触れて――サンタクロースと一緒に光に包まれて消えていった。
「ありがとう、サンタさん」
それとも龍神様と呼ぶべきかな
涙を拭いて振り向くと入口のところに圭吾さんがいた。
「今の見た?」
「見たよ」
側まで行くと、圭吾さんはわたしを抱きしめた。
「春になったらペットを飼ってもいい?」
「もちろん。ウサギでも犬でも猫でも、その全部でも」
ママ、わたしこの人と幸せになるね
春の裏庭はきっと賑やかになるだろう。
彩名さん?
ううん。あれは……あれは……
「ママ!」
わたしは差し出されたママの腕に飛び込んだ。
――志鶴、寂しかったでしょう? ゴメンね
ママだ。ママの声、ママの匂いだ。
「いいの。もう寂しくないから」
ああ……きっと夢は一瞬で消える。
言おう。今ならきっと言える。
「ママ、大好きよ。わたしを産んでくれてありがとう」
わたしはママの顔を見つめた。
「さようなら」
――さようなら、志鶴。幸せにね
ママがわたしの髪を撫で、頬に触れて――サンタクロースと一緒に光に包まれて消えていった。
「ありがとう、サンタさん」
それとも龍神様と呼ぶべきかな
涙を拭いて振り向くと入口のところに圭吾さんがいた。
「今の見た?」
「見たよ」
側まで行くと、圭吾さんはわたしを抱きしめた。
「春になったらペットを飼ってもいい?」
「もちろん。ウサギでも犬でも猫でも、その全部でも」
ママ、わたしこの人と幸せになるね
春の裏庭はきっと賑やかになるだろう。