龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
危ない 危ない

恋人にキスされたくらいで、いちいち逃げてどうするのよ

ゆっくりと穏やかなキスに頭がボウッとなる。

気がついた時には、圭吾さんの体と壁に挟まれて身動き出来なくなっていた。


あれ? これって、そろそろ止めなきゃマズイ状況?


「圭吾さん?」

キスの合間に何とか言えた。


「ん? 何?」

「えーと、その……そろそろ離してもらえる?」

「もう?」


いや、十分長いでしょ?


「このまま寝室に行かない?」


意味が理解できるまでたっぷり十秒はかかった。


ギョッとして目を丸くするわたしを見て、圭吾さんが苦笑いを浮かべた。


「まだ無理か」


イエスって言うのよ、志鶴

もう無理じゃないって言いなさいよ


「えーと、まだ明るいし……」


ああ、わたしのバカ!

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