龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
いつもと変わらない穏やかな表情。


さっきの寂しそうな声はわたしの気のせいだったのかな


「今年はライトと、雪と、飾りが三つだね?」


わたしはうなずいた。


「ネットで選ぶ? それとも次の休みに出かけようか? 少し遠出をすれば、直接選べるよ」


本当に?

「お店で選びたい」

なんだかワクワクする。


「ツリーは大きめの買わないとね。赤ちゃんがたくさん生まれてもいいように」

「そうね」


すると、圭吾さんはおかしそうに微笑んだ。


「赤ちゃんはコウノトリが運んでくるんじゃないと分かっているといいんだけど」

「そんなの今時、小学生だって分かってるわよ」

「それじゃ、僕と婚姻届を出すだけじゃ生まれないって分かってるといいな」


圭吾さんのほのめかしに気づき、わたしは顔から火が出そうなくらい真っ赤になって、

圭吾さんが楽しそうにクスクス笑った。
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