龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
美月 来たりて

「三田せんぱ~い!」


げっ! 竜田川美月!


思わず身構える。


「来たわね……」

亜由美がボソッとささやく。


一年の竜田川美月は、圭吾さんの元恋人、優月さんの妹だ。


「あっ、大野先輩、滝田先輩、先日はお泊り会に入れていただいてありがとうございましたぁ」


『入れていただいて』って、あんたが無理矢理入り込んで来たんじゃないの


「ここいいですか? いいですよね?」


美月は、わたし達が陣取っている学食のテーブルに一緒に座った。


「そのお泊り会に僕が呼ばれなくて、美月ちゃんが呼ばれたってのがしゃくに障るんだよね」

悟くんが不満そうに言う。


いや、悟くん……あなた一応男の子だから


「じゃあ次、うちでやりましょう! 悟さんも一緒に!」


勘弁してよっ! 何でわたしが圭吾さんの元恋人の実家で『お泊り』しなきゃなんないのよ!


「美月、あんたいい加減に自分の学年の子と付き合いなよ」

美幸が言った。


よく言った、美幸!

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