龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「はぁ~、先輩が自分で圭吾さんの婚約者だってばらすんじゃないかとハラハラしましたよ」

美月は疲れたように言った。


「ばらしちゃまずいの?」


「殺されちゃうかもしれません」

美月はブルッと身震いしてみせた。

「邪魔者は消すタイプだと思いませんか?」


そんな危険な人には見えなかったけど


「あのテの顔は、サスペンスドラマで必ず犯人なんです」


おいおい……


「だいたい、政治家の秘書なんて商売自体が怪しい」


商売じゃないし

真っ当な職業じゃないの?


「自分の出世の邪魔になる恋人を三人くらい、事故に見せかけて始末してるかもしれません」


「美月、それ偏見っていうか、テレビの見すぎ」


「夢のない事言わないで下さいよ。わたしの予想の方が絶対に面白いです」


面白いとかの問題なの?

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