龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
圭吾さんも自分の力をいらないと思ったりするのかしら?


「今日は無断で寄り道のしようもないけどね。待ってるから帰りに校長室に来てってさ」

悟くんはそう言ってニッと笑った。

「ほらね、僕は使いっぱしりさ――それに美月ちゃん、君もね」


「わたしですか?」

美月がキョトンとして顔を上げた。


「そっ、君だよ。昨日うちの大輔に卵を見つけた場所をきいたら、君との秘密の場所だからって口を割らなかった」


「ああ……こうなったら仕方ないですね」

美月は顔をしかめた。

「でも、わたしがしゃべったら大ちゃん怒るだろうな」


「絶対怒らないわよ」

亜由美が言った。

「男って損な生き物ね。女の子でよかった」


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