龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
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生まれて初めて触ったウサギは、フワフワして、暖かくて、モゾモゾしてた。
「かわいい! 圭吾さん、すっごいフワフワなの!」
「毛皮だからね」
「もう! そういう言い方しないでよ」
ウサギは鼻をヒクヒクと動かしている。
圭吾さんにねだれば、すぐに買ってもらえるのは分かっている。
でも、ペットを飼う気にはなれない。
いつかは死んでしまうものに愛情を注ぐのはつらいから。
裏庭の龍たちは、餌付けをして馴らしてはいるけれど、基本的には野生だ。それに寿命も長い。
わたしはもう一度ウサギを撫でると、柵の中に戻した。
圭吾さんは何も言わない。
ただ、代わりだとでも言うように、ぬいぐるみを買ってくれた。
茶色の垂れ耳ウサギ
「ラッピングしないで、首にリボンをつけてくれ。水色のがいいな」
首輪のように水色のリボンをつけたウサギのぬいぐるみが、わたしの腕の中に落ちてきた。
「ありがとう」
わたしは圭吾さんの腕にしがみつくようにして言った。
「かわいい! 圭吾さん、すっごいフワフワなの!」
「毛皮だからね」
「もう! そういう言い方しないでよ」
ウサギは鼻をヒクヒクと動かしている。
圭吾さんにねだれば、すぐに買ってもらえるのは分かっている。
でも、ペットを飼う気にはなれない。
いつかは死んでしまうものに愛情を注ぐのはつらいから。
裏庭の龍たちは、餌付けをして馴らしてはいるけれど、基本的には野生だ。それに寿命も長い。
わたしはもう一度ウサギを撫でると、柵の中に戻した。
圭吾さんは何も言わない。
ただ、代わりだとでも言うように、ぬいぐるみを買ってくれた。
茶色の垂れ耳ウサギ
「ラッピングしないで、首にリボンをつけてくれ。水色のがいいな」
首輪のように水色のリボンをつけたウサギのぬいぐるみが、わたしの腕の中に落ちてきた。
「ありがとう」
わたしは圭吾さんの腕にしがみつくようにして言った。