龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
お手伝いさんは最後に、フルーツを添えて綺麗に盛りつけたアイスクリームのお皿を置いた。


「和子さんが志鶴様にと」


キャー 嬉しい!

チョコレートソースかかってる!


「結局、うちは全員、志鶴に甘いんだよな」


それでも一番過保護なのは、圭吾さんに変わりないわ


圭吾さんと巧さんがお箸をつけ始めたので、わたしもスプーンですくってアイスクリームを一口食べた。


うーん、おいしいっ!


「志鶴はどう思う?」

圭吾さんがいきなり言った。

「誰かが長い年月をかけて研究した成果をぶち壊す事を」


「内容にもよるんじゃない? 細菌兵器とかの研究なら積極的にぶち壊してもらいたいわ」


「ただ、英知の限界を探究しただけだったら?」


「美月の龍の事を言っているの?」


圭吾さんはうなずいた。


「あれは、たぶんキメラだ」


「カメラ?」

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