龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「キメラだよ。一つの細胞に異なった遺伝子を組み込まれて生まれた命だ」


「それが何かの役に立つの?」


「今は何も。ただ、いつかはその技術を使って新しい世界が開けるかも知れない」


わたしはアイスクリームをもう一口食べた。


圭吾さんが迷っているのはこれ?

だったら、わたしが決めてあげる。

わたしのわがままにしてしまえばいい。


「生命を犠牲にして?」

わたしは挑むように圭吾さんを見た。

「人間以外の生命なら軽く扱っていいというのは納得できない。ぶち壊して」


巧さんが小さく拍手をした。


「姫君の裁定が下りたぞ、圭吾」


圭吾さんはため息をついた。


「お望みのままに。たぶん僕の気を楽にするのが一番の目的なんだろうが」


見え見えだったか

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