龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
わたしが髪を乗せると、圭吾さんは和紙を折り畳んでポケットに入れた。
「それ、何するの?」
「お守りだよ」
圭吾さんはそう言うと、身を屈めてわたしの頬にキスをした。
「すぐに帰って来るから待ってて」
わたしは黙ってうなずいた。
圭吾さんはわたしの髪を一撫でして、悟くん達の方を向いた。
「僕の支度も終わったよ。行こう」
圭吾さんは和室の奥隅まで行くと、カーテンを開けるような仕種をした。
壁が歪んだように曲がって見え、そこからみんなは出ていってしまった。
わたしはしばらく立ち尽くしていたけれど、ゆっくりと手にしたハサミを座卓の上に置いて正座した。
どのくらいたってからか、襖の向こうから和子さんの声がわたしの名を呼んだ。
「なぁに?」
襖が少しだけ開いた。
「皆様お出かけになられましたか?」
「ええ。あ……和子さん?」
「はい?」
「このハサミをしまってもらえる?」
「それ、何するの?」
「お守りだよ」
圭吾さんはそう言うと、身を屈めてわたしの頬にキスをした。
「すぐに帰って来るから待ってて」
わたしは黙ってうなずいた。
圭吾さんはわたしの髪を一撫でして、悟くん達の方を向いた。
「僕の支度も終わったよ。行こう」
圭吾さんは和室の奥隅まで行くと、カーテンを開けるような仕種をした。
壁が歪んだように曲がって見え、そこからみんなは出ていってしまった。
わたしはしばらく立ち尽くしていたけれど、ゆっくりと手にしたハサミを座卓の上に置いて正座した。
どのくらいたってからか、襖の向こうから和子さんの声がわたしの名を呼んだ。
「なぁに?」
襖が少しだけ開いた。
「皆様お出かけになられましたか?」
「ええ。あ……和子さん?」
「はい?」
「このハサミをしまってもらえる?」