龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
圭吾さんに必要とされたい。役に立ちたい。
でも――
「今、すごい重しを乗せられた気分」
「だろうね」
「前に悟くんは、わたしがそこにいるだけでいいって言ったのに」
わたしがぼやくと、悟くんは笑った。
「圭吾にとってはね。でも、僕ら他の者が君に期待していることは違う」
「どうしろって言うのよ」
わたしは少しばかりふて腐れて言った。
「圭吾を幸せにしていて欲しい。あいつが怒ったら宥めて欲しい。迷ったら助言して欲しい」
「ハードル高いわよ」
「もう全部クリアしてるじゃないか。君は言わば龍神の巫女だ。僕らは、君を通して圭吾にとりなしてもうらおうとするだろう」
難しすぎて分かんない……
「例えばさっきの大輔だ。君が許すと言えば、圭吾も許すだろう。君が許さないと言えば、圭吾は大輔を末席に追いやる――分かる?」
「言いたい事は分かった。でも、わたしが何も言わなくても圭吾さんはそんな事しないでしょ?」
悟くんはカップにお湯を注いだ。
「たぶんね。でもそれは、しづ姫の目があるからだよ」
でも――
「今、すごい重しを乗せられた気分」
「だろうね」
「前に悟くんは、わたしがそこにいるだけでいいって言ったのに」
わたしがぼやくと、悟くんは笑った。
「圭吾にとってはね。でも、僕ら他の者が君に期待していることは違う」
「どうしろって言うのよ」
わたしは少しばかりふて腐れて言った。
「圭吾を幸せにしていて欲しい。あいつが怒ったら宥めて欲しい。迷ったら助言して欲しい」
「ハードル高いわよ」
「もう全部クリアしてるじゃないか。君は言わば龍神の巫女だ。僕らは、君を通して圭吾にとりなしてもうらおうとするだろう」
難しすぎて分かんない……
「例えばさっきの大輔だ。君が許すと言えば、圭吾も許すだろう。君が許さないと言えば、圭吾は大輔を末席に追いやる――分かる?」
「言いたい事は分かった。でも、わたしが何も言わなくても圭吾さんはそんな事しないでしょ?」
悟くんはカップにお湯を注いだ。
「たぶんね。でもそれは、しづ姫の目があるからだよ」